「介護って、いくらかかるの?」-わたしが経験した“お金のリアル”
「お父さんはあるツハイマー型認知症です」
医師からそう告げられた日、正直、頭が真っ白になりました。
でも、時間が経つと不安は現実的なものに変わっていきます。
その中でも特に大きかったのが「お金」の問題でした。
介護ってどれくらいお金がかかるのか、意外と知られていないんです。
わたしも、はじめはまったく見当がつきませんでした。
■ 在宅介護にかかるお金、意外とじわじわ来るんです
「施設に入れるよりは安いでしょ?」なんて声を聞くことがあります。
たしかに、在宅介護は施設に比べて家賃や光熱費の追加負担はないかもしれません。
でも、地味にお金がかかることが多いんです。
たとえば介護用のベッドや手すり。
最初は介護保険を使ってレンタルできると知って安心しましたが、月々の負担がゼロではありません。
少額でも積み重なると、けっこうな額になります。
紙おむつ、介護用のパッド、使い捨て手袋や消毒液。
これも毎月数千円、下手をすれば1万円近くかかります。いやそれ以上かも。
「ちょっとしたもの」が何度も何度も必要になる。
それに見守りカメラやGPS、窓の補助鍵などは当たり前ですがすべて自己負担です。
■ 介護保険、使えるけど万能じゃない
介護保険は、たしかに大きな助けになります。
父の場合、要介護3の認定が出て、デイサービスや訪問介護の利用ができるようになりました。
でも、「どこまで使えるか」は限られています。
たとえば、デイサービスに通う回数を増やしたいと思っても、支給限度額を超えると全額自己負担になります。
しかも、制度がちょっと複雑で、わたしも最初はケアマネさん任せになってしまいました。
「制度はあるのに、よくわからない」って人、少なくないと思います。
■ 父のお金は誰が管理するのか問題
もうひとつ、悩ましかったのが「お金の管理」です。
父は最初のうちは自分で通帳を持っていたのですが、次第に同じ引き落としを何度も頼んだり、大事な通帳やカードを隠してしまったり。
心配になって、「わたしが代わりに管理しよう」と思ったんですが、これが意外とハードルが高いんですよね。
銀行口座を代わりに操作するには「成年後見制度」を使うか、「家族信託」などの手続きをしなければならないんです。
でも、どちらも手続きが面倒だったり、費用がかかったり。
わたしは結局、父に理解してもらえるうちに、通帳とカードを預からせてもらいました。
「うまく信頼関係を保てている今だからできた」と思っています。
それでもキャッシュカードが磁気不良を起こし再発行するときにはとても大変な思いをしました。。。
■ 働き方と収入、見直しが必要になることも
父の介護を本格的に始めた頃、わたしはフルタイムで働いていました。
でも、通院やデイサービスの送り迎え、急な体調不良への対応などで、会社を早退したり休んだりが増えてきました。
結果、勤務時間を短くする選択をしました。
収入は当然減りますが、介護の負担とのバランスを考えると、必要な決断だったと思っています。
ただし、このあたりは家庭の事情によって違いますよね。
パートナーがいる人、兄弟姉妹の協力がある人、職場の理解があるかどうか…。
環境次第で、選択肢も変わってきます。
■ 「お金の話」はタブーじゃない
わたしがこのコラムで一番伝えたいのは、「介護とお金の話は、決して恥ずかしいことではない」ということです。
お金がないと、いい介護もできない。
逆に、お金のことで心に余裕がなくなると、ちょっとしたことにもイライラしてしまう。
そうなる前に、早めに家族で話しておくことが本当に大事なんです。
つい後回しにしがちな話題ですが、実際に介護が始まってからでは遅いこともあります。
■ まとめ:備えと相談が、心のゆとりをつくる
介護にかかるお金って、「どこから」「どれくらい」必要かが見えにくいからこそ、不安になるんです。
だからこそ、早めに制度を知って、備えて、家族やケアマネさん、専門家と相談しておくことが大切。
介護は「お金の心配」と「時間のやりくり」と「感情のコントロール」の3本立て。
どれかひとつでも楽になれば、全体がぐっと軽くなる。
わたしはそう感じています。
これを読んでくれたあなたが、少しでも肩の荷を下ろせたらうれしいです。
