「もしかして認知症?」-父の変化に気づいた日
「お父さん、なんかちょっと変わってきたかもな…」
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
こんにちは。私は40代の会社員で、数年前に在宅で父の介護をしていました。今思えば、最初のサインはほんの些細なことだったんです。
それが、まさか認知症の始まりだったとは--。
今日は、私の経験をもとに、「もしかして認知症かも?」と気づくためのヒントをお話ししたいと思います。
■ いつもの父じゃなくなった
父は昔から無口で職人気質なタイプでした。几帳面で、日課の散歩と新聞を読むことを欠かさなかったんです。
でも、ある日からちょっとした変化が見え始めました。
「財布がない」「鍵をどこに置いたかわからない」
最初はよくある“うっかり”だと思っていましたよ。年をとれば誰でも物忘れくらいしますからね。
でも、それが毎日のように起こるようになると、さすがにおかしいなと思い始めました。
しかも、探しても見つからないのに「誰かが盗った」と言い出すようになってきて??。
ああ、これはただの物忘れじゃないな、って思いました。
■ これって「認知症のサイン」?
認知症の初期には、こんな変化が出てくることが多いんですよね。
専門家じゃないけど、私の経験から「気をつけた方がいいな」と思ったポイントをいくつか挙げてみます。
● 同じ話を何度も繰り返す
「今日、駅前で知り合いに会ってな…」って、もう3回聞いたよ…という感じ。
本人は悪気がないんですよね。だから、余計に胸が痛みます。
● 日付や時間の感覚があいまいになる
「今日は何曜日だ?」と何度も聞かれたり、「朝なのに“おやすみ”って言ってきた」なんてこともありました。
● 好きだったことに興味を示さなくなる
毎日読んでた新聞に目を通さなくなったり、趣味の将棋をまったくやらなくなったり…。
小さな「変化の積み重ね」って、大事なサインかもしれません。
● 怒りっぽくなった
いつも温厚だった父が、ちょっとしたことで怒鳴るようになったんです。
理由がわからず戸惑いましたが、あとで知ったのは「うまく思い出せない」「理解できない」ことがストレスになっていた、ということでした。
■ 「年のせい」では片づけられないかも
よく「年だから仕方ないよ」と言いますよね。私も最初はそう思ってました。
でも、認知症は「加齢によるもの忘れ」とはちょっと違うんです。
年齢による忘れ方って、「あの人の名前なんだっけ?…あ、思い出した!」みたいに、あとで思い出すことが多いんですよ。
でも認知症の場合は、「そもそも忘れていること自体に気づいていない」んですよね。
「何かおかしいな」と感じたら、それは自分の直感を信じていいと思います。
■ チェックリストで自分なりに確認してみよう
私が父の変化に気づいたあと、実際に使ってみた“簡単なセルフチェック”があります。
以下のような項目に、当てはまるものがいくつあるか、振り返ってみてください。
いくつか当てはまるようなら、一度専門の病院で相談してみてもいいかもしれません。
■ 相談するのは「家族のため」でもある
「病院に連れていくのは、本人に悪い気がする」
そう思っていた時期もありました。でも、診断を受けたことで父も私も救われたと思っています。
“何が起きているのか”がわかるだけで、対応も心の準備も変わりますからね。
早めに知ることって、決して“怖いこと”じゃないんです。
■ おわりに
「ちょっと変だな」と思ったその気づきが、認知症との向き合いの第一歩になります。
私も、あのとき気づいていなかったら、もっと父を傷つけていたかもしれません。
誰だって年を取りますし、誰にでも起こりうることです。
だからこそ、一緒に考えて、一緒に乗り越えていくことが大切なんですよね。
もし、あなたが「うちの家族、大丈夫かな?」と思ったら、どうかひとりで悩まず、誰かに相談してみてください。
その一歩が、きっと未来を変えてくれるはずです。