認知症対策

冷蔵庫が開けっ放しに

仕事から帰り、リビングに入る。
ふとキッチンに目をやると、冷蔵庫のドアが半開きになっていた。

 

「またか…」と、思わずため息が漏れる。
最近、親父殿が冷蔵庫のドアをしっかり閉めなくなってきたのだ。

 

閉め忘れたまま時間が経ってしまい、中の食品がダメになっていたことも一度や二度じゃない。

 

ひどいときには、冷凍庫の引き出しまで開きっぱなし。
凍っていたはずの食材が、すっかり水っぽくなっていて、処分するしかなかった。

 

最初の対策は、冷蔵庫にドアアラームをつけること。
ドアが開いていると「ピーピー」と音が鳴るアレだ。

 

けれど、これは完全に裏目に出た。

 

親父殿はすでに耳が遠い。
近くでドアアラームが鳴っても音源がわからず、どこで音が鳴ってるのか気になってしまいキッチンを離れてリビングや玄関をウロウロ。。。
結局、冷蔵庫から離れてしまい、肝心のドアはそのまま。

 

アラームが逆効果になるとは、想像していなかった。

 

次に試したのは、キーバックリール。
本来は鍵や定期券などを伸びるワイヤーで引っ張るための道具だけれど、これが意外に使えた。

 

最初に買ったのは100円ショップのもの。
しかし、ワイヤーが細くて短く、数回の動作で壊れてしまった。

 

これはダメだと反省し、しっかりしたものを探して見つけたのが、太くて丈夫なワイヤーで、しかも90cmの長さがあるタイプのキーバックリール。
これだけの長さがあるとドアを90度くらいまで開いても余裕がある。

 

3Mの強力な両面テープで本体を冷蔵庫の脇にしっかり固定。
ワイヤーの先をマスキングテープで冷蔵庫のドアに貼りつけた。

 

これだけで、ドアが開いたままになろうとしても、リールが自然に引っ張ってくれて、ドアが「ピタリ」と閉まるようになった。

 

最初は親父殿も「なんだこれ?」と不思議がっていたが、仕組みにはさほど関心がないようで、すぐに慣れた様子。

 

アラームのように音が鳴るわけでもない。
それが親父殿にとってもよかったのかもしれない。

 

おかげで冷蔵庫の食品がダメになることも、まったくなくなった。
ちょっとした工夫で、こんなにも日常のストレスが減るとは。

 

開けっ放しになった冷蔵庫をみてイライラしていた頃が懐かしい。
でも、日々の小さなことほど積み重なるとボディーブローのように効いてくる。

 

こういう地味なトラブルも、少しずつ、確実に対策していくしかない。
そう思いながら、今夜もキーバックリールが「カチッ」と冷蔵庫のドアを引き戻す音を聞いている。

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