洗濯機のフタをロック
仕事から帰ってきて洗面所に向かうと、洗濯機の中に湿った洗濯物が残っていた。
普段はわたしが出勤前に洗濯をして干している。
が、今日は量が少なかったから洗濯せずにに中に入れたままにしていた。
なのに、明らかに洗濯されている気配。
そして、棚に置いていた液体洗剤のボトルを見ると--空っぽ。
完全に使い切られていた。
「洗濯もか…」とため息がでる。
どうやら、親父殿が洗濯物を見つけて勝手に洗濯機を回したらしい。
昔から几帳面な性格で、新聞の置き場所も、リモコンの角度すらも気にする人だ。
洗濯機に洗い物が入っているのが気になったのだろう。
でも、洗濯機の操作方法はもう曖昧になってきている。
洗剤をどれだけ使えばいいかも、すすぎが何回必要かも、干すという工程すらも記憶から抜け落ちていたみたいだ。
結果として、洗濯物は濡れたまま洗濯機に放置され、洗剤は空っぽ。
量が少ないのに何度も洗濯をするのは水道代もかさむし、なにより環境にもやさしくない。
これはもう、「親父殿が洗濯しないようにする」方向で対策を立てるしかない。
選んだのは地震対策にも使えるタイプのチャイルドロック。
貼り付けるだけの簡単なタイプで、ロック機構もシンプルでわたしが開けるぶんには手間がかからない。
しかしロック機構を知らない親父殿には開けるのはむずかしいだろう。
実際に設置してみたら、これが正解だった。
親父殿は几帳面だからこそ、「目につくと気になってしまう」タイプ。
はじめこそガタガタと洗濯機のフタが開けようとしたが、開かないと分かった時点で、それ以上触ることはなかった。
それに、そもそも洗濯物が目に入らなければ「洗おう」とは思わないようだ。
中が見えないことで、興味そのものがなくなった様子。
親父殿が洗濯機を触ることがなくなり、トラブルを未然に防げる安心感もある。
わたしのストレスがひとつ確実に減った。
正直、「こんなことまで気を遣わないといけないのか」と思う瞬間もある。
でも、それ以上に「何が起きるかわからない」ことのほうがずっと怖い。
介護は手探りの連続だけれど、小さな“対策”の積み重ねで、毎日の暮らしは確実に穏やかになっていく。
今日も洗濯機のフタが静かに閉じたままであることに、そっと安堵するわたしだった。
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